s01)サーバーを知るために最初に読む話
2024年02月29日
コンピューターが苦手です…という方の多くはその仕組みを知る機会がないからかもしれません。
昔とは違い、今はパソコン購入後に線を挿せばWEBサイトが見られるようになっていますが、地球を取り巻く「サーバー」と「パソコン」「スマートフォン」との関係がどういうものかを知れば、パソコンやWEBサイトの不具合が起こった時にも、ちょっとした勘が働くようになります。RakuSukuでは私達が見ているWEBサイトは何がどうなって見えているのかを知っていただくためのコラムを綴ります。
広義でのサーバー
一般的にサーバーとは提供するserveが名詞になったもので、「もてなす者」「給仕する者」「サービスを提供する者」を意味することはよく知られていますね。対して、サービスを受け取る側のことをクライアント(client)と言います。
例えば税理士さんに仕事を依頼した場合、クライアントはあなたで、税理士さんはサーバーとなります。その他、コーヒーサーバー、ビールサーバー、ウォーターサーバーなど、人に限らず「提供する側」を指します。
コンピューターの世界のサーバー
現在ではコンピューターの世界のサーバーを思い浮かべる人が多いですね。私達のようにホームページ制作をしている場合はWEBサーバーが身近な存在ですが、企業でシステムや情報管理の部署にいる人であれば、会社全体のシステムを管理するサーバーを意識される思います。
コンピューター世界を中心にしてサーバーを説明すると、クライアントに「リソース」を提供する者になります。このケースでのクライアントはパソコンやスマートフォン、Padのことです。
そして、このケースでのリソースとは、
・処理能力や記憶領域などのコンピューター(サーバー)の基本性能
・データ
・プログラム
を指します。
サーバーはこれらをサービスとしてクライアントであるスマートフォンなどに提供しています。両方同じコンピューターなのに、役割によって呼ばれ方が変わるところがポイントですね。
孤独なコンピューター
パソコンが他のサーバーやパソコンとつながっていない状態(スタンドアローン)では、自分が持つリソース(性能やデータ)しか使えません。パソコンは自分以外のコンピューターが持つ性能を使いたい場合は、対象のコンピュータとつながる必要があります。
社内や社外のコンピューターとつながるには何らかのネットワーク(LANやネット回線、Wi-Fiなど)を経由する必要があります。
逆にいうと、超重要な絶対に漏れてはいけない情報を扱うのであれば、コンピューターをスタンドアローンにすればよいということです。中の情報を見るには、パソコンに記録メディアを接続してコピーを持ち出すか、パソコンそのものを持っていかなければならないからです。
研究所や開発中の情報はスタンドアローンにしておくと、物理的なセキュリティが向上します。
サーバーはどこに?
社内のパソコンやサーバーを見たことはありますか?社内では社内のサーバー管理者や担当者が置いてある場所をご存知です。または企業から委託を受けた事業者がデータセンターなどで管理しています。
しかし、外部のサーバーを見たことがない人は多いと思います。
実態のないサーバーは存在せず、必ず地球上のどこかに物体が存在し、クライアントの要求にサービスを提供し続けているのです。いわゆるレンタルサーバーもどこかに置いてあり、誰かが管理しながら、ネットワークを経由して機能を提供しています。
WEBサーバーは何に使うもの?
サーバーのリソースを列挙しましたが、イマイチよく分からない…という方に具体例を記載します。
メールの送受信
メールの送受信にはメールサーバーと呼ばれるものが使われます。郵便局のように、誰から来たメールか、誰宛に送ればいいのかを管理して処理しています。
ホームページ(WEBサイト)を見る
WEBサイトを見るときにはWEBサーバーが利用されます。このページを見たいという自分のスマートフォンやパソコンからの「このページを見たい」という要求に応じて、要求通りのWEBサイトを表示させます。
システムを処理する
例えばネットショップや不動産情報のシステムなども、WEBサーバーに組まれた(インストールされた)システムを処理して表示させています。皆さんの要求に応じて情報が変わるのは、システムがそのような動作をするようプログラムされているからですね。
クライアントは自分では?
私個人は最初、パソコンをクライアントというのに違和感がありました。要求しているのは私なのだからクライアントは私では?と考えたのです。
実はこれも間違いではありません。
私がパソコンやスマートフォンに、サーバーにWEBページを見せるように伝えて、という要求をした時は、パソコンやスマートフォンは翻訳者となって私の要求をサーバーに伝えてくれました。要求を伝えてくれるというサービスを提供してくれたのですから、この時はパソコンやスマートフォンはサーバーともいえますね。
役割によって立場が変わるという仕組みの一例だと言えます。
ただし、一般的にはやはり、パソコンやスマホフォンは、サーバーに対するクライアントとして扱われます。