s07)サーバーとパソコンのCPUの違い

2024年04月03日

サーバーとパソコンでは、システムを構成する部品の信頼性にも差があります。CPUで中心的な役割を果たす部分をコアといいますが、CPUの数やコアの数にも違いが見られます。

CPUの種類

サーバーとパソコンでは物理的な構造にはほとんど違いがありませんが、部品をよく見ると違いが見えてきます。コンピューターの中心部である CPU は性能、用途、機能によりブランドが分かれます。サーバーに用いる CPU とパソコンに用いる CPU もブランドが異なります。インテルの生産している CPU を例に挙げると、サーバー用のブランドには Xeon (ジーオン)、パソコン用のブランドにはCore i7 や Core i5 などを含む Core があります。

また、サーバー用のCPUとパソコン用の CPUではソケットの規格も異なることが多く、これによってCPUに組み合わせられるマザーボードやチップセットの種類も違ってきます。一般的に、サーバー用の CPUに対応したマザーボードやチップセットのほうが信頼性の高い製品となっています。

CPUソケット

CPUソケットとは、マザーボード上のCPUを装着する部分のことです。さまざまな種類があり、 ここの規格がマザーボードとCPUと合致していないと装着できません。マルチCPUVサーバーを構成したい場合には、CPUソケットを複数持つマザーボードを選択する必要があります。

チップセット

CPUやメモリなど、マザーボードに接続されているさまざまな部品の間でデータをやりとりする際に、その仲介をする集積回路です。マザーボード上に組み込まれています。

CPUのスペック

項目意味
動作周波数(GHz)1秒間にどれだけの命令を処理できるかを示し、数値が大きいほど処理が速いです。クロック数ともいいます。
コア数CPUで実際の処理を行う部分であるコアがいくつあるかを示します。 Xeonは2~28コア、Coreは2~18コア程度
スレッド数スレッドはCPUで処理されるひとつづきの命令のことです。 スレッド数はそのCPUでスレッドをいくつまで並列処理できるかを示しています。Xeonは4~56スレッド、Coreは4~36スレッド程度
キャッシュメモリ(MB)より高速な処理を実現するためにメインメモリとは別にCPUの内部に備えられているメモリです。数値はそのデータ容量を示す
最大 TDP (W)CPUの最大放熱量。この値が大きいCPUを選ぶ際には、CPUクーラーを付けるなど冷却性能に配慮する必要があります。

CPUの数とコアの数

制御装置や演算装置を含む CPU の中心部をコアといい、サーバー用のCPUとパソコン用の CPU の大きな違いは、コアの数にあります。パソコン用の CPUは2~4コアのものが多いですが、近年はコアの数が増加する傾向にあり、ハイエンドの高価なものでは 20 コア近くのものもあります。ただし、基本的にパソコンはユーザーが1人なので処理を並列させる必要性がほとんどなく、 とくに負荷の高い用途に使用するのでなければコアが多いものを選んでも能力を余らせることになります。

サーバー用の CPU は、 パソコン用と同程度のコア数から多いものは20コア以上までと幅広く、 パソコン用に比べると10コア以上のモデルが豊富です。 サーバーは、 複数のクライアントからリクエストを同時に受けて並列処理することもあり、 コアが多いとそれだけ速く処理できます。

コア数だけでなく CPU 自体の数にも差があります。 パソコンのCPUは基本的に1つですが、 サーバーの中には複数のCPU を持つものがあります。 複数のコアをもつ CPU をマルチコア CPU と呼び、CPU を複数持つことをマルチ CPU と呼ぶこともあります。

コア数とスレッド数

通常、 並列処理できるスレッドの数はコアの数に一致します。最近は 1つのコアで同時に2スレッドの処理を可能にする技術により、スレッド数がコア数の2倍の値となるCPUがあります。

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