s03)サーバーが動く仕組みとサーバーを用意する方法

2024年03月31日

クライアントサーバーシステムとは?

サーバーとクライアントの関係を見ると、クライアントはサーバーにサービスを要求し、サーバーはそれに応えるという役割があります。
クライアントから要求されてサーバーが機能を提供するシステムのことを「クライアントサーバーシステム」といいます。この時、クライアントからの要求を「リクエスト」、サーバーからの返答を「レスポンス」といいます。

クライアントサーバーシステムの特徴は、クライアントがサーバーを利用するという一方的な役割分担がありながら、処理のすべてをサーバーが負うわけではありません。
サーバーが処理するのは、サーバーが持つリソースを必要とする作業のみで、クライアント単体でもできる処理はクライアント側が行っています。 このように分担することで、サーバーだけにに負荷が集中することを防いでいます。
処理量が増えることを、負荷が集中するといいます。サーバーに負荷が集中すると処理が遅くなるため、Webページの表示に時間がかかったり、メールの送受信が遅くなることがあります。

クライアントサーバーシステム以外のシステム

クライアントパソコンの性能が今ほどよくなかった時代は、「メインフレーム」と呼ばれる大型コンピューターが処理の大部分を引き受けていました。 メインフレームのクライアントにあたる機器は、端末もしくはコンソールと呼ばれます。

コンソールが担うのはデータの入力と表示だけで、それ以外の処理はすべてメインフレームで行われるため、メインフレームには大きな負荷がかかっていました。クライアントサーバーシステムが浸透した現在は、 メインフレームを使ったシステムは減少しています。

メインフレームとは逆に、負荷を完全に分散させることでクライアントやサーバーという異なる役割分担を取り払ったシステムP2P (ピアツーピア)も存在します。P2P システムでは、ネットワークで接続されたすべてのコンピューターが対等な関係で通信し分散処理をすることで、負荷ひとつに集中することを避けられます。
サーバーのように、ダウンするとすべての処理がストップしてしまうコンピューターが存在しないため、障害に強いなどの特徴があります。
仮想通貨で有名になったブロックチェーンの技術はこのP2Pシステムを使っています。

サーバーを使いたい!サーバーを用意する方法の基本

サーバーを用意するには、サーバーを購入する、レンタルする、クラウドを利用するかをえらぶことになります。購入したサーバーは自宅、オフィス、サーバールーム、データセンターなど、状況に応じて置き場所を検討する必要があります。

サーバーを用意する

サーバー本体の購入

初期投資は高いですが、基本スペックを自由に選択できるため、 細かく指定したい人にはトータルコストを抑えられる可能性があります。ただし購入後のスペック変更ができないため、導入前の検討は慎重に行う必要があります。

レンタルサーバー

サーバーをレンタルする場合は、事業者がすでに所有しているサーバーを借りることになるため、スペックの選択が制限されます。費用が月額料金で支払うのが一般的なので、初期投資は抑えられます。
(ホスティングサービス:レンタルサーバーを提供しているサービスのことを、ホスティングサービスともいいます。)

 →レンタルサーバー詳細はこちら

クラウドサービス

購入やレンタルサーバーのほかにも、クラウドサービスを利用してサーバーを用意する方法があります。AWSが有名です。

サーバーの設置場所

自社でサーバーを所有する場合、物理的にサーバーをどこに設置してどう管理するかも考えておきましょう。

予算をかけられない場合は、手軽な方法として、社内の空いている場所に設置する方法があります。設備が最小限で済みます。

デメリットは温度管理がしにくい、オフィス内にいる人が誰でも操作できてしまうことからセキュリティの面で危険である、などが挙げられます。

社内に専用のサーバールームを用意する企業もあります。コストはかかりますが、普段人が出入りする場所とは別のところにサーバーを設置できるため、温度管理などもサーバーにとって良い環境にしておけます。入退室管理を厳重にできるため、セキュリティ対策にも良いでしょう。 サーバーの台数が増えても収容できるため、大きいシステムを構築するならサーバールームを用意することをおすすめします。

サーバーを収容するための専用施設「データセンター」を利用することも可能です。 地震対策 、 停電対策、セキュリティ対策など、高水準の安全性が保たれています。 また、データセンターにあるサーバーをレンタルしたり、 所有しているサーバーを預けて管理を委託したりするなど、ニーズに応じたさまざまな利用方法があります。

サーバーは24時間動作させておくのが一般的で、サーバー自体の排熱によって周りの温度が上がります。 オフィスにサーバーを設置する場合は温度管理にも気を配るようにしましょう。

サーバーの操作は遠隔で行うことも多い

ではサーバーに必要なものとして、管理用の入出力装置(キーボードやマウス、ディスプレイなど)をあげました。パソコンのようにサーバーも入力装置を接続して操作することができます。

実際は、直接接続したキーボードやディスプレイを使用して操作するよりも、パソコンなどからネットワークを通じてサーバーにアクセスし、操作する場ケースのほうが多いです。本格的な業務システムではサーバーが複数台あり、データセンターなどの遠隔地に置かれていますので、サーバーのところまで足を運んでディスプレイやキーボードを接続して操作すると効率が悪く、現実的ではありません。 そのため初期設定でディスプレイやキーボードを使用してネットワークを介して操作できるようにしておき、以降の管理は遠隔操作で行うのが一般的です。

サーバーの遠隔操作は専用のソフトウェアをインストールしたり、元々 OS に備わっている機能などがあります。Windows ならリモートデスクトップ、 Unix 系 OS ならSSH や telnet などのコマンドがよく知られています。
それでも最初は必ずサーバー側で遠隔操作を許可する設定が必要になります。ネットワークを利用しての操作を許可するということは、悪意ある第三者に利用されるリスクも高まるということですから、接続可能なパソコンやIPアドレスを限定するなど、 セキュリティ対策もきちんとしておきましょう。

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