n04)ネット集客の一歩目は「戦術」よりも「戦略」 から

2025年04月21日

中小規模の会社がネット集客で成果を上げるためには、最初に戦術を考えるよりも戦略を設計することが大切です。ネット集客における戦略の必要性を理解し具体的な戦略の策定をねりましょう。

ネット集客をスタートしようとするとYouTubeやFacebook といったツール選びから始めてしまいがちですが、それら1つ1つはあくまで個別の 「戦術」に過ぎません。持続的な成果を上げるためには全体像を知り、ネット集客の 「戦略」から計画することが大切です。

ここでいう戦略とは「無数にある情報データの整理」と「方向性の決定」です。誰を対象顧客(ターゲット)とし、自社の何を強みとして、どのようなブロセスで顧客を獲得していくのか? 

戦略は表面的に目で見て確認することのできない、これらの要素の集合を指します。 
知名度や資金力人的リソースなどの経営資源に恵まれない会社は、 戦術レベルの最適化だけで業績全体に影響を与えるほどの成果改善はほとんど見込めません。

例としてネット広告の費用対効果を高めるために広告のクリック率向上を図って原稿内容を見直すことは必要な取り組みですが、 全体の成果を大きく向上させるためには、そもそも誰を対象顧客とするのか、何を売りとして訴求していくのかなどといった根本的な見直しを行ってから行動する方が目に見えて改善するケースが多々あります。

特に小さな会社の場合は 「戦術」よりも「戦略」が大切で、成果が思うように上がらないときはビジネスの上流から下流へと見直していく考え方が求められます。

■戦略「指針」
・対象顧客は誰?
・戦える自社の強みは?
・どのようなプロセスで見込み客を顧客層に引き上げるか?

↓これらに向かって

■戦術「方策」
・Webサイトをどのようにリニューアルするか?
・ブログの記事の更新施策
・バナー広告のクリック率向上方法

などを考えます。

ネット集客の策定6つのステップ

具体的なネット集客戦略の策定ステップの基本として、前述したように「誰を対象顧客として、 何を自社の強みとし、どのようなプロセスで顧客化を図るのか」 を設計することが、そのままネット集客の戦略設計になります。各ステップを詳しく見てみましょう。


対象顧客の明確化|ステップ①

ネット集客で最初に検討することは「対象顧客の絞り込み(明確化)」です。よくある勘違いとして、多くの人から注文をもらうには対象とする顧客を広くとらえるべきだと考えられがちですが、小さな会社がターゲットを広げて対象にしてしまうと、誰にとってもあたり障りのない商品やサービスとなり、せっかくの 「強み」 が曖昧になってしまうからです。 対象顧客を明確化することは大変重要な検討事項なのです。

自社が選ばれる理由づくり|ステップ②

みなさんもご経験があると思いますが、ユーザーは商品やサービスを「比較」します。他社と比較されたときのために自社を選んでもらう理由となる「売りや強み」を明確にすることが重要です。小さな会社の場合は誰もが知っているほどの「知名度」も他社より優れた「商品・サービスカ」 があることも稀です。「他社商品より優れた特性」「他社ではなく自社が選ばれる」売りや強みを明確にすることで需要を見込めるようになります。

強みの明文化・言語化|ステップ③

「自社の強み」「他社ではなく自社が選ばれる理由」 が明確になったら、次に「強みの言語化・明文化」 を行います。自社の強みや優位性を、具体的な言葉(キャッチコピー) に落とし込んでみましょう。対象商品業界の知識や選択基準を持ち合わせていない対象顧客にアピールするためには、自社の強みや優位性が「魅力的でわかりやすい言葉」として表現されている方が効果的です。

顧客獲得プロセス|ステップ④

「顧客獲得プロセス」とは、今後顧客になると見込めるユーザーをどのように発見して、どのような施策によって顧客化していくのかという一連のプロセスのことです。大きな流れとして「潜在客の発見」→「見込み客の育成」→ 「顧客化」という3つステージから成り立ちます。

日々の作業実行|ステップ⑤

ステップ①~④までで定めた「顧客獲得プロセス」を機能させるために1つ1つの個別施策を実行に移します。ここでは概要ではなく、毎日・毎週のくり返し作業まで具体的に計画します。
日々の業務のなかでネット集客の各種施策を進めていく場合、「忙しくて頓挫していた」 というケースがよくあります。複雑で時間がかかる取り組みではなく単純作業にできるかがポイントです。

施作評価|ステップ⑥

ネット集客における各種施策に取り組んだらそれで満足してはいけません。ネット集客は、 さまざまな数値を定量的に取得できる特徴があり、その利点を活かして、目的に対してどの程度進捗しているのかを数値測定で検証できます。

ネット集客戦略に関する実態

従業員30人未満の中小零細企業や個人事業主を対象に実施した「ネット集客に関するアンケート調査」によると、「戦略や戦術をしっかり考えたうえで取り組めている」と回答したのはわずか7%、「何となくはある」と答えたのが 26% にとどまり、全体の 3分の1程度(33%) でした。
言い換えれば、およそ70%の小規模事業者が明確な計画なしにネット集客に取り組んでいるということになります。

ネット集客で成果を出すためには、行き当たりばったりではなく、計画的に戦略を立て、組織全体が同じ目標に向かって取り組む体制が不可欠です。まずは明確な方針を定め、社内で共有し、実行に移す準備を整えましょう。

施作計画表の例

施作実行内容頻度担当
Webサイト主要キーワードのページ作成
検索サイト、SNSからの流入に対するアプローチ
週5回Aさん
Youtube動画撮影・投稿週1本Bさん
X・Instagram配信画像映像撮影・投稿週1本Cさん
メルマガセグメント別メルマガ配信週1本Dさん
定期測定GA4、MAツール週1回Eさん

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