s20)FTPサーバー・DHCPサーバー・モバイルアプリとサーバー
2025年05月25日
FTPサーバー
会社内や組織内など、限られたネットワークでのファイルのやりとりではファイルサーバーを使うのが一般的ですが、インターネットを通して外部の人とファイルをやりとりするときにはFTP サーバーを利用することがあります。
FTPサーバーはファイルの保存領域を提供し、FTP (File Transfer Protocol) というプロトコルに基づく通信によってユーザーは手元のファイルを FTP サーバーに保存したり、FTP サーバーにあるファイルをダウンロードできます。またFTPサーバーを介して他のユーザーとファイルをやりとりできます。Webサイトを公開するときもこのFTP通信を利用します。
一般的にはユーザー名とパスワードによるユーザー認証を行いますが、FTPサーバー側で認証を行わない設定もできるため、特定の人とだけでなく不特定多数ともファイルのやりとりができます。また、ユーザーの権限をダウンロードだけに限定し アップロードを禁止することも可能です。
FTPサーバーソフトウェアとFTPクライアントソフトウェア
FTPサーバーがサーバーとしての機能を提供するために使うのがFTP サーバーソフトウェア、クライアントがFTPサーバーを利用するために使うのがFTPクライアントソフトウェアです。
FTPのセキュリティ
FTPを使った通信ではユーザー名やパスワードを含むすべてのデータが暗号化されずにやりとりされるため盗聴のリスクがあります。そこで暗号化を行って安全にデータをやりとりできる「FTPS」や「SFTP」などのプロトコルが開発されています。

DHCPサーバーとは?
私たちがインターネットを使うとき、パソコンやスマートフォンには「IPアドレス」という番号が必要になります。このIPアドレスはインターネットの世界で言うと「住所」のようなものです。これがあるおかげで私たちはいろいろなウェブサイトを見たり動画を見たり、メールを送ったりすることができるのです。
このIPアドレスはただの数字の並びで「192.168.1.1」のように書かれます。数字の羅列なので、もしこれを毎回手作業で入力する必要があるととても面倒な上、間違いも起こりやすくなります。そこで便利なのが「DHCP(ディーエイチシーピー)」という仕組みです。
DHCPは、IPアドレスを自動でコンピューターやスマートフォンに割り当ててくれるサービスのことです。たとえば、会社やカフェのWi-Fiにスマホをつなげたとき、特に何もしなくてもインターネットが使えるのはこのDHCPのおかげです。
まず、コンピューターやスマートフォンをネットワークにつなぐと、「私にIPアドレスをください」とDHCPサーバーに伝えます。リクエストを受けたDHCPサーバーは、自分が持っているたくさんのIPアドレスの中から一つを選んで、そのコンピューターに渡してくれます。これでコンピューターは「インターネットの世界の住所」をもらえてネットが使えるようになるというわけです。
ただし、このIPアドレスはずっと使えるわけではありません。たとえば「5分間だけ使えますよ」というような期限がついています。この期限が切れる前に「もう少し使いたいです」と再び依頼する必要があります。もし期限が切れても依頼しなかった場合は、DHCPサーバーは「このIPアドレスはもう誰も使っていない」と判断して、そのIPアドレスを「使えるIPアドレスリスト」に戻します。これにより、他の人が同じIPアドレスを使えるようになります。
DHCPサーバーではIPアドレス以外に設定されるものがある
DHCPサーバーでは、IPアドレス以外にもゲートウェイサーバーやDNS サーバーのIPアドレス、サブネットマスクなどが設定されます。
モバイルアプリとサーバー
現在はほとんどの人が毎日のようにスマートフォンを使っています。たとえばゲーム、カメラ、LINEのようなメッセージアプリ、ネットショッピングのアプリなど、便利なアプリもたくさんあります。
私たちがスマホでアプリを使うときも裏側では「サーバー」が大切な働きをしているのです。
スマホで使うアプリには、大きく分けて次の3つの種類があります。
① ネイティブアプリ
これはスマホにインストールして使うタイプのアプリです。スマホにしっかり組み込まれて動くので、カメラアプリやゲームのように、スマホ単体でサクサク動くものが多いです。スマホのカメラやマイクなど、スマホ本体の機能を活かすのにとても便利です。
② Webアプリ
これはスマホに特別なアプリを入れなくても、Webブラウザ(SafariやChromeなど)でそのまま使えるアプリです。例えば、ニュースサイトを読んだり、ネットで買い物をするページなどがこれにあたります。アプリをダウンロードしなくても、ページを開くだけで使えるのが特徴です。
③ ハイブリッドアプリ
これはネイティブアプリとWebアプリのいいとこ取りをしたものです。基本はネイティブアプリの形ですが、一部の機能をWebの仕組みを使って動かすことがあります。例えば、ニュース記事だけWebで読み込み、その他の機能はアプリで動かすような場合です。
サーバーの役割
Webアプリやハイブリッドアプリでは、Webサーバーやアプリケーションサーバー、そしてデータベースサーバーといったサーバーがとても重要です。これらのサーバーは、私たちのスマホとデータをやり取りしたり、アプリの機能を提供するために働いてくれています。
たとえばショッピングアプリで商品を見たりカートに入れたりするデータはサーバーが管理しており、メッセージアプリで友達とやり取りするときも送ったメッセージは一度サーバーに届き、そこから相手のスマホに届くようになっています。
ネイティブアプリの場合も最初にアプリをダウンロードするときにはアプリ配信サーバー(App StoreやGoogle Play)が必要となり、メッセージアプリなどはサーバーを介してデータを送受信しています。