s23)IPアドレスとは?
2025年07月31日
IPアドレス(アイピーアドレス)とはインターネットに接続された機器(スマホ、パソコン、ルーターなど)を一台一台を識別するための「住所」のようなものです。
たとえば郵便物を送るときに「住所」が必要なように、インターネット上で情報を送るときにも相手のIPアドレスが必要になります。
IPアドレスが必要な理由
・パソコンやスマホが「誰なのか」をインターネット上で識別するため
・情報を正しく送受信するため(間違った相手に届かないようにする)
IPアドレスの例
IPv4という形式では、このように0〜255までの数字を「.(ドット)」で4つ並べて表示されます。192.168.1.1 8.8.8.8 123.45.67.89
表記例 | 説明 |
---|---|
192.168.0.1 | 家庭用Wi-Fiルーターの例 |
8.8.8.8 | 企業ののDNSサーバー |
IPアドレスの仕組み
IPアドレスは2つの部分に分かれています。
部分 | 役割 |
---|---|
ネットワーク部 | どのネットワークに属しているか (どの団体・地域か) |
ホスト部 | そのネットワーク内でどの機器か (スマホ、PC、サーバーなど) |
たとえば、192.168.1.15 というIPアドレスなら
「192.168.1」がネットワーク部(グループ名)
「15」がホスト部(その中の個人)

CIDR(シダー)とは?
昔は「Aクラス、Bクラス、Cクラス」などでIPアドレスの使い道を分けていましたが、今はもっと自由な方法が使われています。それが CIDR(Classless Inter-Domain Routing) です。
CIDRの表記例
192.168.0.0/24
「/24」は、IPアドレスの最初の24ビットがネットワーク部という意味です。残りのビットがホスト部になります。これにより、ネットワークの大きさ(何台の機器が入れるか)を柔軟に設定できます。
IPアドレスクラス
IPアドレスクラスとは、昔使われていた「IPアドレスを使いやすく分けるためのルール」です。
インターネットが今ほど普及していなかった時代、使う人や組織の規模(大企業、小さな会社、大学など)に合わせて、IPアドレスを効率よく配るために、「クラスA~クラスE」という5つのグループに分けられていました。
各クラスの特徴
クラス | 用途・対象 | 割り当てられるホスト数(おおよそ) | ネットワークの数 | 最初の数値の範囲 |
---|---|---|---|---|
A | 大規模な組織向け | 約 1,677 万台 | 128個まで | 1〜126 |
B | 中規模な組織向け | 約 6万台 | 約16,000個 | 128〜191 |
C | 小規模な組織向け | 約 254 台 | 約209万個 | 192〜223 |
D | マルチキャスト用 | 通常の通信には使わない | – | 224〜239 |
E | 研究用・実験用 | 使用不可 | – | 240〜255 |
例えると、
クラスAは「超巨大な団地」。数百万人分の部屋(IPアドレス)がある。
クラスCは「一軒家の集合住宅」。数十人分の部屋があるけれどたくさんの家(ネットワーク)を作れる。
この方式は便利でしたが、IPアドレスを無駄に使ってしまうことが多く、足りなくなる問題が出てきました。そのため今では、より効率的にアドレスを分配できるCIDR(シダー)方式が主流になっています。
ISPとは?
ISP(アイ・エス・ピー)とはInternet Service Provider(インターネット・サービス・プロバイダー)の略で、「インターネットにつないでくれる会社」のことで、「プロバイダ」とも呼ばれています。
ISPは、インターネットの“入り口”を提供してくれる業者で、スマホを使うときに携帯会社が必要なように、自宅でパソコンやWi-Fiを使ってインターネットに接続するには、ISPと契約する必要があります。
ISPの代表的なサービス
インターネット回線の提供(光回線、ADSLなど)
メールサービス(@○○.ne.jpなどのアドレス)
セキュリティサービス(フィルター、ウイルス対策など)
IPアドレスの割り当て
グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスの違い
グローバルIPアドレスとは?
IPアドレスは全世界で重複しないように管理されており、勝手に割り当てることはできません。 インターネットで用いられる端末固有のIPアドレスを、グローバルIPアドレスと呼びます。
プライベートIPアドレスとは?
一方、家の中や会社の中など「閉じたネットワーク」(LAN)の中だけで使う特別なIPアドレスがあります。この中で使う番号は、自由に決めていい決まった範囲のものだけです(例:10.0.0.0〜や192.168.0.0〜など)。
この番号を「プライベートIPアドレス」といいます。
なぜプライベートIPアドレスを使うのか
例えば自宅のWi-FiにつながっているスマホやパソコンにはそれぞれプライベートIPアドレスが割り当てられていますが、このままではインターネットに直接つなぐことができません。そこでルーターという機械がプライベートIPアドレスをグローバルIPアドレスに変えてインターネットに接続できるようにしています。この変換のことを「ネットワークアドレス変換(NAT)」と呼びます。
なぜこのような仕組みがあるのか
インターネットで使えるグローバルIPアドレスの数は限られており、たくさんの機械が直接グローバルIPを持つと足りなくなってしまいます。そこで、たくさんの機械はプライベートIPアドレスを使い、ルーターを通じて1つのグローバルIPアドレスでインターネットに接続する仕組みが作られました。

IPv6という新しいルール
IPv6とは?
現在の主流は IPv4 ですが、IPアドレスの数が足りなくなってきたため、より多くの機器に対応できる IPv6(アイピー・ブイ・シックス)という新しい形式も登場しています。
IPv6はこのように長いアドレスです。
2001:0db8:85a3:0000:0000:8a2e:0370:7334
インターネットにつながるパソコンやスマホなどの機械は、通信するときに「IPアドレス」という番号を使っています。この番号は今まで「IPv4」という仕組みで作られてきました。IPv4では約43億個(正確には2の32乗)のIPアドレスが使えますが、インターネットに接続する機械が増えすぎて、この数だけでは足りなくなってきました。
そこで、新しく作られたのが「IPv6」というルールです。IPv6では、今までのIPv4よりはるかに多い「2の128乗」というすごく大きな数のIPアドレスが使えるようになっています。具体的には約340兆兆兆(3.4×10の38乗)個もあります。
このため、IPv6ではこれから増えていくスマホやパソコンだけでなく、家電や車などたくさんの機械にIPアドレスを割り当てられるようになります。
ただ、今のところまだ多くはIPv4が使われていますが、IPアドレスが足りなくなる問題を解決するために、世界中で少しずつIPv6に切り替えていく動きが進んでいます。
ISP経由でインターネット接続する場合のIPアドレス
インターネットに接続するとき、一般的には「ISP(アイエスピー)」という会社を通してつながっています。このISPからインターネットに使うためのIPアドレスがその都度割り当てられます。インターネットの接続を一度切って再びつなぎ直すと、前とは違うIPアドレスになることがあります。IPアドレスはずっと同じものではなく一定の期間だけ使える「借り物」だからです。日が変わるとIPアドレスが変わることもあります。
もし、ずっと同じIPアドレスを使いたい場合は、ISPが用意している「固定IPアドレス」というサービスを申し込む必要があります。これを使うと、いつも同じ番号が使えるようになります。